episode 2_1
麻屋葡萄酒で知る「チャレンジ精神」(後編)
まだまだ知らないことばかりだけれど、日本ワインをもっと知りたい!と意欲満々のワタシ、ヴァインツリー編集部員・りょーこが、ワイナリーを訪ねて感じたあれこれをお伝えします。こんなことを聞いたら怒られるかも…なんて、ちょっとおっかなびっくりのレポートですが、同じように日本ワインをもっと知りたい! というみなさん、どうぞご一緒に。
ワインの貯蔵庫へ潜入!
前回に引き続き、「麻屋葡萄酒(以下・麻屋)」さんにお邪魔しています!
畑をご案内いただいた前編に続き、今回やってきたのはワインの貯蔵庫。
ワイン樽と小さめのホーロータンクが並び、ワイン樽にはぶどうの種類が書かれています。でも、いくつかのワイン樽には「SO2水」とあります。SO2水——つまりは亜硫酸水…(ちょっとムズカシイ話!)。
ワインじゃなくて、お水が入ってるの?
聞けば、ワイン樽はワインが入ってないと木材が乾いて、隙間ができてしまうそう。そこで、ワインを出した後の樽は内部洗浄を行う前に、殺菌をかねて亜硫酸水を入れるんですって。こうすることで内部に残ったオリなども取り除きやすくなるそうですよ。
さらに奥へ進むとコンクリートで固められ、部屋のように区切られた空間へ。ここは一体?
「かつてのコンクリートタンクです」と河西さん。
え? タ、タンク!? どういうこと?
「つまり、コンクリートで周囲を固めたこの大きな空間自体がワインタンクで、なおかつ醸造システムでもあるんです。今でこそ人が入れる出入口がついて、部屋のようになっていますが、使用当時は天井の穴から梯子を下ろして使用していたんですよ」
確かに、コンクリートの部屋の隅には、小さな穴が空いています。
「ここからワインを出すんです」と教えていただき、使用方法が理解できました。この部屋いっぱいにワインが満ちるなんて…。昔はダイナミックな作り方をしていたんですね!
地下ダンジョン!? ワインセラーへ
続いて、地下のワインセラーへ。入るとすぐにヒヤッと涼しい空気が押し寄せます。ワインセラーには、出荷前のワインが並んでいましたよ。
一角には河西工場長の貴重なワインコレクションも。麻屋さんの歴史を感じるワインとボトルを愛おしそうに見つめる河西さんの横顔がとっても印象的でした。
イキイキした表情そのままのワイン
最後はワイナリーショップへ。カウンターにはテイスティングのワインや販売のワインがズラリ。ワイン初心者の私でも気分は上がりまくりです。
ここでワインフェスティバルでお会いしたチャーミングな醸造家・多田さんも合流してくださいました。
麻屋さんが用意している無料・有料のテイスティングアイテムはとにかく種類が豊富です。この日は有料のものが10~12種類、無料のものが12~15種類出ていました。
さらに、取材用にたくさん出してくれる清水さん。ワインごとに異なるエチケットを眺めるだけでもワクワク!
魅力いっぱいのワインの中で、私が今回とくに印象に残ったのは「勝沼甲州シュールリー2016」。辛口ながら、ほんのり優しいお花のような香り。口に含むと、とろけるような飲み心地。普段飲んでいるお酒とはまったく違う飲みやすさに驚きました。
「山梨ならではのぶどうの良さを存分に活かしつつ、お客さまにより近いワインをつくりたい」と清水さん。麻屋さんならではのワイン造りに挑まれる姿には、本当に心打たれます。
「余っていたロゼをスパークリングにしてみたら、これがヒット商品になったんです」「ワインが飲めない方にも飲んでいただけるように、低アルコールのワインを造ってみたら、本当に喜んでいただけたんですよ」など、日夜新たな挑戦を続ける醸造家の皆さんは、本当にイキイキとしたお顔で話してくださいました。
秘密のダンジョンをめぐるような楽しいワインツアーの冒険の後にいただくワインは、ご褒美のようでより美味しく感じられます。
みなさんもぜひ、ハラハラドキドキの麻屋葡萄酒を巡るクエストを体感してみてください!
麻屋葡萄酒
住所:山梨県甲州市勝沼町等々力166
電話:0553-44-1022
会社営業時間: 8:30~17:00
ショップ営業時間:9:00~16:30
ショップ定休日:年末年始
見学:ワイナリーツアーあり(要予約・無料)
0コメント