皆さんこんにちは!今回初めてこちらで記事を書かせていただきますので少し自己紹介をさせて下さい。
日本酒のきき酒師の漫才師の「にほんしゅ」の北井一彰と申します。コンビ結成時にたまたまつけたコンビ名が「にほんしゅ」で、コンビ揃って無類のお酒好きということもあり、飲むだけじゃなくて日本酒の勉強もやってみようかな、というところから、酒販店勤務やきき酒師の取得などを経て、現在は漫才のテーマも全て「お酒」。
そして全国の日本酒関連のイベント出演や自分たちが講師を務める初心者向け日本酒講座などを含めると年間100回以上お客様の前で日本酒の魅力を伝えるお仕事をさせていただいております。
ということでワイン好きの皆さんにも「日本ワインも日本酒もどっちもいいよね!」と思ってもらえるよう「日本ワインとの繋がりが感じられる酒蔵さん」の中で僕が実際蔵まで行ったことがあり、オススメする酒蔵さんの紹介をさせていただきます。
山梨といえば日本ワイン?いえ、日本酒も凄いんです!
「七賢」を醸す白州の山梨銘醸へ行こう!
「日本ワインが好きな人に興味を持ってもらえそうな酒蔵さん、、」と考えたときに浮かんできたのが「日本ワインといえば山梨?じゃあ山梨で紹介したい酒蔵さんは、、」というシンプルな発想。そして第1回の酒蔵さんを選ばせていただきました!お酒の味も取り組みも素晴らしい酒蔵さんが山梨県にあるんですよ。
今回紹介させていただくのは北杜市白州町で「七賢(しちけん)」という日本酒を醸す「山梨銘醸株式会社」。
歴史を感じさせる素晴らしい酒蔵。山梨県の日本酒を語るときに外せない「七賢」
僕が日本酒にハマり、100蔵以上は酒蔵見学をさせていただいた中で思ったことがあります。日本酒を醸す上で大切なのは「風土」と「人」。ここはワインにも共通するんじゃないでしょうか。
あと気になっている方いたらすみません。漫才師ですがお酒のことは真面目に熱く語ります。
山梨銘醸の風土を語る上で欠かせない白州の名水
山梨銘醸さんは1750(江戸寛延3)年創業という老舗酒蔵さんです。蔵があるのは北杜市白州町。水も良く、本当に空気も澄んでいて自然豊かなところです。
その白州の水を求め、サントリーのウイスキー白州蒸溜所があったり、ミネラルウォーターの採水地となるなどとにかく水の良さはどこにも引けを取らないでしょう。これは日本酒の酒蔵さんにとって何物にも代えがたいアドバンテージです。
もう少し山梨銘醸さんの仕込み水のお話をすると、南アルプス「甲斐駒ヶ岳」の伏流水を仕込み水として使われています。軟水です。
もう少し丁寧にいうと「南アルプスに降り積もった雪の雪解け水が30年の歳月を経て仕込み水になる」そうです。素敵すぎる。なんだかミネラルウォーターのCMの映像が浮かんできませんか(笑)?
そんなお水で仕込まれた「七賢」のお酒を飲んでみると「清らか!クリアー!瑞々しい!」というような言葉が次々に湧いてきます!なんというか「仕込み水の主張」が聞こえてくるんです。そして脳裏にはぶわっ!と南アルプス・白州の絶景を映すショートムービーが流れるんです(自治体さんが作るようなその町のいいところ取りの映像みたいな感じの)。
この体験に個人差はもちろんありますが、山梨銘醸さんに行って周囲の景色を見てから「七賢」を飲むと美味しさが倍増するのは間違いないでしょう。
米も地元産にこだわり、「夢山水(ゆめさんすい)」「ひとごこち」という酒米を仕込み水と同じ水脈で栽培されたお米を中心にお酒を造られているんです。まさに「白州テロワール」!「白州を飲んだ!」と誇れる地酒ですね!
30代の若き蔵元兄弟が看板となって突き進む山梨銘醸
2017年2月にコンビで蔵見学へお邪魔したときの写真。中央が専務取締役兼醸造責任者の北原亮庫(きたはら・りょうご)さん
そんな清らかな仕込み水に恵まれた土地「白州」でどんな人が酒造りをしているかも気になりますね!写真の通り醸造責任者の北原亮庫さんはちょっとコワモテです(笑)!
前半の清らかな水の話ばかりからすると色白で北欧の人とのハーフみたいな人が登場してもおかしくないですけど!ただ、お話させていただくと全っ然怖くないです。「優しくて骨のある情熱的な醸造家!」っていう感じの頼りになるお兄さんですね!いつまでもお酒の話を聞きたくなる方です。実際亮庫さんが醸造責任者に就かれてから「七賢が美味しくなった!」という声もよく耳にします。
そして亮庫さんのお兄さんの北原対馬(きたはら・つしま)さんが2018年11月に代表取締役社長に就任され、お2人ともまだ30代の若き蔵元兄弟が「七賢」の看板を背負い突き進んでおります!
そして近年の「七賢」を語る上で欠かせないのが瓶内二次発酵の本格派スパークリング日本酒です!これは要チェックです!スパークリング日本酒も増えてきましたが間違いなくその中でのトップランナーの1蔵です。ぜひワインのスパークリングとの飲み比べをしていただきたいです。
簡単にスパークリング日本酒のラインナップを説明すると、うっすらとオリを残した「山ノ霞(やまのかすみ)」、白州の澄んだ夜空に輝く星をイメージした「星ノ輝(ほしのかがやき)」、そして白州の深い緑に包まれた杜をイメージした「杜ノ奏」。
この中でも「杜ノ奏」はなんとウイスキー樽で熟成させたスパークリング日本酒なんです。ウイスキー樽?白州?お酒好きの方ならピーンと来ましたね?そう、サントリーウイスキー「白州」とのコラボですよ!サントリー白州蒸溜所と山梨銘醸。白州を語るお酒としてこんなにワクワクするお酒は無いでしょう。ウイスキー樽で寝かせたことで深くラグジュアリーな味わいになっているんです。おもしろいです、七賢!山梨銘醸!
見学させてもらった時の思い出も少し話させてもらうと、新酒の時期で搾って間もない「風凛美山(ふうりんびざん)」という銘柄の「七賢」定番の純米酒を試飲させていただいたときの鮮烈なフレッシュさと透明感、梨を丸かじりしたような瑞々しさ。搾りたてのあまりの美味しさ(今でも景色と味がすぐに思い出せる!)に「うまぁ、、、」っとだけ呟き固まっていると「フフフ、この純米酒、4合瓶(720ml)で1000円ちょっとですよ。」とコワモテなのにちょっと自慢げでいたずらっぽい笑顔で語りかけてきた亮庫さんの顔も忘れらません(笑)。本当に風凛美山は「風が凛と吹き、美しい山が浮かぶような純米酒」です。名は体を表すとはこのお酒のこと!
名は体を表すで思い出しましたが、2017年の蔵見学時に相方のあさやんが亮庫さんに「今製造は何人でされてるんですか?」と聞いて「7人ですね。」とおっしゃったので相方が嬉々として「え!?まさか!七賢にかけて7人の賢者で醸すってことですか!?」と聞いたら「あ、たまたまです、、」となって少しだけ気まずくなったのを思い出します。
酒蔵見学やレストランもぜひ!
どうでしょう?「七賢」を造っているところ見てみたい!となった方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
なんと、予約すれば醸造期間中(11月~5月)の酒蔵見学が出来ます。そして試飲もできるお酒の販売所「酒処 大中屋」や蔵併設のレストランなどもあり、足を運ぶ理由十分です。白州の空気、感じに行くしかないですね!
そして!醸造責任者の亮庫さんからこれからの「七賢」の酒造りへ向けてメッセージをいただけませんか?とお願いしたら快くメッセージを送っていただきました!
「今までと変わらず白州の名水と向き合い、“白州の名水を体現する酒造り"をしていきたい」
亮庫さんありがとうございます!スパークリング日本酒の新しい商品や取り組みのことなどをおっしゃるのかなと思いましたが、その根幹を支えてくれる「水」「自然」への感謝ですよ!素晴らしい!我々はそのお酒を美味しく飲みます!
自然への感謝を胸に「白州らしさ」を醸すことに日々挑戦する山梨の日本酒「七賢」は飲んでみるべし。行ってみるべし。「水」をこれだけ感じさせてくれる酒蔵さんは中々ありません。「風土」と「人」を知るとお酒が美味しくなるんです。
山梨のワイナリー巡りとともに「七賢」の山梨銘醸にもぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
七賢に行くなら近くのこちらも!
シャルマンワイン
大正8(1919)年にワイン造りを開始。本格的な始動は、昭和38年(1963年)、七賢と同じ白州・駒ヶ根にワイナリーを設立。「よいワインづくりは素材から」という理念から、翌年には農園を作り、甲斐駒ケ岳の水はけの良い土壌、標高600mの冷涼な気候ワインにあう欧州系ぶどうの栽培を始めています。がワイン用ぶどう栽培の条件を整えています。ワイナリーの見学、ショップ、試飲もあり、駒ケ岳の資料館も併設。
http://www.charmant-wine.com/annai.html
プロフィール
北井一彰(写真向かって右。左はコンビの相方あさやん):コンビ揃って日本酒のきき酒師の資格を持つ世界で唯一のきき酒師の漫才師「にほんしゅ」のツッコミ担当。きき酒師の上位資格「日本酒学講師」の資格も持ち、お酒の知識を活かしたSAKE漫才、お酒イベントMC、メディア出演、日本酒講座講師、日本酒ライターとして日本のお酒の魅力を楽しく伝える伝道師を目指し、幅広く活動中。
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