たこやきぼうずとピノたろう 4月号

新時代の新生活を、時代がつないできた品種で乾杯!

~ダイヤモンド酒造「ますかっとべーりーA Petit Cube Cuvee TE」~

ついに新しい元号が「令和」と決まりましたね。そんな新時代の幕開けに新しい生活をスタートさせる、すべての皆さんへおすすめしたいのが、こちらのワインです。

縁起よくアルファベットの1番目「A」の文字もありますが、このマスカットベーリーAという品種は、大正時代に新潟県でワイナリーを始めた川上善兵衛さんが、ワイン用ブドウ栽培に向いているとはいえない日本の環境でもなんとか可能性のある品種を見つけたいと、全財産を投げうって1万回をこえる交配試験のすえに手に入れた品種なのです。凄い執念ですよね…。その可能性は見事に開花し、昭和の時代から現在に至るまで、山梨県をはじめ各地で栽培されて立派なワインがつくられています。いまでは国際ブドウ・ワイン機構(通称OIV)にも日本固有の品種として認められていて、ピノ・ノワールやシャルドネといった世界の名だたる品種と同様に、ワイン用ブドウ品種として堂々と登録されているんですよ。

この品種から作られるワインは、イチゴキャンディのようなフルーティーな香りに味わいも軽やかで、「ふむ、本格的なワインですな…」というよりも「チャーミングなワインだねぇ~」という、やや低めの評価をされていました。ところが、その評価を1段、いや5段くらい引き上げたのが、このワインをつくったダイヤモンド酒造の醸造家、雨宮吉男さんです。留学したフランスのブルゴーニュから帰国すると、得た知識と経験をもとに、もう一度、先入観にとらわれず目の前にあるマスカットベーリーAに向き合いました。そうして試行錯誤の末に、この品種からピノ・ノワールにも負けない芳香を放つ本格的で魅力的なワインを生み出し、日本中で、そして世界からも評価をされ脚光を浴びました。あきらめることなくポテンシャルを探求したことから生まれたこのワインは、日本の生産者たちを勇気づけた一本だと言っても過言ではありません。

ラズベリー、ブラックベリー、バラの花、スパイスの香りに、優しい樽の香りも。しっかりと味わいのボリュームもあり、酸味とのバランスも見事で、非常にエレガントな印象を受けると思います。お料理との相性はとても広いのですが、特に焼き鳥、焼き魚、醤油やタレを使ったものとの相性は最高です◎

大正、昭和、平成、そして令和につながれていく日本ワイン。決してあきらめず、すぐに結果が出なくとも、熟成をして花開く努力というものもあると思います。期待も不安もぜひ楽しんでください。先生からは以上です!新しい門出に乾杯!

※ダイヤモンド酒造さんのマスカットベーリーAでつくったワインは、様々なバリエーションと価格がありますが、どれもおすすめです◎

こんなに丁寧にマスカットベーリーAについて教えてもらったのでたこやき先生に御礼を言おうと思ったんですケド、「令和(礼は)いらないよ」とか答えられたら笑った方がいいんでしょうカ。それはともかく、4月に新しい元号が発表されて、5月には新しい元号。なんだか新しくいろいろなことを学びたくなる時期デスネ。ダイヤモンド酒造の醸造家、ムッシュ雨宮がフランスでピノ・ノワールと出会い、マスカットベーリーAに向き合ったように、僕も日本でいろいろなワインを学びたい!みなさんもVINETREE MAGAZINEでご一緒に!


■一般的な小売価格 2,314円(税込)

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