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楽しき混乱を生む「ブドウ共和国」
グレープリパブリック アンフォラ ロッソ 2017
あまりにも印象的なグラフィック。日本酒でもなかなかなさそうな絵にかいたような泥棒なのだけれどどこかアメコミ風でもある。
山形県南陽市、2017年に醸造施設が完成。「ブドウの共和国」という名には、ワイナリーだけにとどまらず、この地で質のいいナチュラルワインを造り、それを基にこの地に就業、観光などで人が集い、耕作放棄地の再生なども含めた活性化につなげるという壮大な夢が込められている。壮大だけれど、原点はピュアと信念のワインづくりなのだろう。
ワインに戻ろう。山梨県北杜市のカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、サンジョベーゼを合わせてアンフォラで発酵。これに同じく山梨のメルローと地元・山形のメルローをアッサンブラージュ。ブドウ共和国の外交と通商という趣か。
さらに10か月、アンフォラで熟成させる、というのがこのワインの概要。度数は11％と軽やか、山ぶどう的なきらきら感でするっと飲めるかとおもいきや、なにやら奥底に妙な力が宿ってそうで、一瞬、自分の眉間に皺が寄る。なんだか謎。和式のほっかむりに気を取られていると石川五右衛門かと思っていたのにはずしたときにはアルセーヌ・ルパン。悪くない混乱。メルローの酸が心地よいので、赤レンガの老舗洋食店、酸味の強いデミソースをかけた薄いカツレツや煮込みハンバーグと合わせたい。
VinetreeMAGAZINE編集部
グレープリパブリック
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