都内有数の激戦区において、「焼鳥×ワイン」は何を生み出すのか

今年の初頭、三軒茶屋の裏路地にオープンした「鳥心」。備長炭で丁寧に焼き上げた焼鳥が、早くも界隈の酔客たちにウケている。「鳥心」はもともと田町や五反田で人気を博したブランドで、三軒茶屋店は3店目にあたる。

三軒茶屋は知る人ぞ知る焼鳥の激戦区だ。ミシュラン掲載店の「床島」を筆頭に、リーズナブルな大串で人気の「とり石」、多くの芸能人がお忍びで通う「串源」と、客足の絶えない店は枚挙に暇がない。なにしろ大手チェーンの「鳥貴族」だけでも、三軒茶屋店、三軒茶屋なかみち通り店、三軒茶屋すずらん通り店と、3店舗を擁するほどなのだ。

そうした激しい競争の中にあっても、新参の「鳥心」にひときわ期待が高まるのは、ワインとのマリアージュを前面に打ち出す、そのコンセプトにある。

この日のワインリストでは、世界各国の銘柄に混じり、広島・三次ワイナリーや栃木・ココファーム、山形・朝日町ワインなど、いくつもの日本ワインが見られた。焼鳥とて肉料理だから、ワインとの合わせに無理はないはず。豊潤な肉の旨味を赤ワインと合わせるのもいいし、白レバーのムースや胸肉のマリネを白ワインとペアリングするのもオツである。

和風モダンな店構えは「焼鳥×ワイン」のコンセプトにぴったりで、三茶最新の焼鳥店としてフリークの歓心を買うのは必然だろう。今後どのようなメニューが飛び出すか、引き続き楽しみにしたい。

VinetreeMAGAZINE編集部

三軒茶屋

Vinetree VIEW vol.18